バイナリーオプションにおけるバックテストの取り方を初心者の方向けに解説していきます。
バックテストと聞くと、
難しそうだわ…
自分でやるなら、かなり勉強しなければいけないだろうな…
と思うかもしれません。
今回は、バックテストが1人でできるよう解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
バイナリーオプションでバックテストをする理由
バイナリーオプションでは「トレード手法が勝てるかを検証するため」にバックテストを行います。
もしバックテストを取った結果、勝率が40%、30%なら別の手法を考えなければいけません。
逆に、勝率が55%、60%…なら自信を持ってトレードできます。
実際にトレードせずに自分のエントリールールが有効かどうかを判断できるので、バイナリーオプションで勝ちたいならバックテストは必要不可欠です。
バックテストのメリット
「自分のエントリールールが有効かどうかを、実際にトレードしなくても判断できる」点が最大のメリットです。
負けても「勝率○%の手法だから慌てなくても大丈夫」と心を落ち着かせることができます。
バックテストのデメリット
バックテストのデメリットは
- 時間がかかる
- 手間がかかる
- 費用がかかる
次の3つがあげられます。
何も見ずに適当な操作でできるものではないので、多少なりとも勉強をしなければいけません。
とくに最初の頃は時間や手間がかかるのは覚悟しておきましょう。
また、自分で学ぶのは苦手だからと講習を受ける場合や、バックテストにかける時間がないからと業者に依頼する場合は、費用がかかります。
バイナリーオプションのバックテストで確認すべき必須事項
バイナリーオプションのバックテストで確認すべき必須事項は
- 勝率
- 最大ドローダウン
- チャートと収支の比較
の3つです。
バックテストから得られた結果から、何を読み取れるのかを理解しておきましょう。
勝率
自分のエントリールールでトレードした場合、勝率が何%かを把握できます。
勝率が50%以下なら、ルールの見直しが必要です。
たとえば、ペイアウト率1.8倍で10,000円のトレードを行った場合
- 勝った場合の利益:+8,000円
- 負けた場合の損失:-10000円
つまり2,000円分ユーザーが不利だと考えられ、もし丁半博打のように2分の1の勝負を続けると、長期的には必ず損失は膨らんで行きます。
最大ドローダウン
ドローダウンとは、一時的に最大資産から落ち込んだ場合の下落率を表します。簡単に言うと、口座に入っている資産からどれぐらいの損失が出たか、ということです。
引用:システムトレード講座
そして最大ドローダウンがマイナス50万円なら、軍資金は2倍の100万円以上は持っておいた方がいいです。
理由としては
- 自己資金の50%が無くなった時は、多くの場合退場するトレーダーが多い
- 最大ドローダウンはバックテストよりも更新される可能性があるから
という理由により、最大ドローダウンは最大でも50%を越えない手法を使いましょう。
チャートと収支の比較
チャートと収支を比較し、勝てている相場・負けている相場を把握しましょう。
- 利益を上げている期間
- 損失が発生している期間
と同じ期間のチャートを表示させ照らし合わせると、自分のエントリールールで得意な相場が分かります。
「今回使った手法はトレンド相場で勝ちやすいな」
「特定の時間帯のこの相場は負けやすいな」
などというように、エントリールールごとの特徴見つけるのにも有効です。
バイナリーオプションでのバックテストのやり方
バイナリーオプションでのバックテストのやり方は
- エクセルを用いる方法
- MT4を用いる方法
- プログラミングを用いる方法
の3つに分けられます。
全てチェックしてみて自分がやりやすい方法でバックテストを行ってください。
エクセルを用いるバックテストの取り方
エクセルを用いるバックテストは、次の2ステップ。
①エクセルでヒストリカルデータを開く
②計算式の入力
インジケーターやロジックの計算式が壁となるかもしれません。
しかし、インジケーターの計算式の例はネットで検索すると出てくるので、参考にすればスムーズに入力できます。
①エクセルでヒストリカルデータを開く
MT4からダウンロードしたヒストリカルデータをエクセルで開きましょう。
①MT4ツールバー「ツール」⇨「ヒストリーセンター」
②検証したい通貨を選択
③足を選択
④「エクスポート」を押下
ヒストリカルデータをCSV形式のファイルでエクスポートすると、簡単にデータを取り込めます。
②計算式の入力
エクセルにデータを抽出したら、検証したいインジケーターやロジックの計算式を入力していきます。
IF関数を使い、
- 条件を満たしたら「真の値」
- 条件を満たさなければ「偽の値」
が表示されます。
たとえばRSIなら…
一定期間の値上がり幅の合計を、同期間の値上がりと値下がりの幅の合計で割り100倍します。
エクセルシート上の以下の箇所に入力していくとします。
- D5:「終値の最初の値」
- H列:「前日比」
- I列:「値上がり幅合計」
- J列:「値下がり幅合計」
上記を計算し、RSIをK列にRSIを表示する場合の計算式は、以下のとおり。
値上がり幅合計(I6):=SUMIF(OFFSET($H6,0,0,−期間,1),”>0″,OFFSET($H6,0,0,−期間,1))
値下がり幅合計(J6):=SUMIF(OFFSET($H6,0,0,−期間,1),”>0″,OFFSET($H6,0,0,−期間,1))
RSI(K6):=I6/(I6-J6)*100
最初は難しく感じるかもしれませんが、計算式の入力に慣れてしまえば意外とスムーズに検証できます。
MT4を用いるバックテストの取り方
MT4を用いたバックテストの取り方を解説していきます。
チャート分析に活用しているMT4では、バックテストも可能。
- ヒストリカルデータの抽出
- ストラテジーテスター
- ハイローオートのアナライズ機能
上記3つに分けて解説していきます。
ヒストリカルデータの抽出
MT4で正確なバックテストのデータを取るなら、ヒストリカルデータを入れましょう。
0.1pipsの値動きがあった時のデータが全て保存されているので、正確に検証できます。
MT4のヒストリカルデータの抽出方法は次の通り。
①MT4ツールバーの「ツール」⇨「ヒストリーセンター」を選択。
②通貨ペアを選択
③足を選択
④ダウンロードボタンを押下
ヒストリカルデータを使えるようになります。
ただし、MT4のMetaQuotes社のデータはやや精度に問題があるようです。
より正確に検証したいなら、他のFX業者が作成しているヒストリカルデータをMT4に取り込みましょう。
- FXDD
- FXCM
- Alpari Japan
などがメジャーです。
他のFX業者のヒストリカルデータをMT4に取り込む手順は次の通り。
※他のFX業者のヒストリカルデータをダウンロードしておきます。
①MT4ツールバー「ツール」⇨「オプション」⇨「チャート」
②最大バー数を「最大」に設定してOK
③「ツール」⇨「ヒストリーセンター」をクリックし通貨ペアをクリック
④1分足をクリック(ヒストリカルデータでは基本的に1分足を使用します)
⑤「インポート」をクリックし、ダウンロードしたヒストリカルデータを選択
以上でデータの取り込みは完了です。
ストラテジーテスター
MT4にヒストリカルデータを取り込めば、ストラテジーテスターを使ってバックテストを取れます。
手順は以下の通り。
①MT4ツールバーの「表示」⇨「ストラテジーテスター」
②「エキスパートアドバイザー/インジケーター」⇨「エキスパートアドバイザー」より以下の項目を選択
通貨ペア:取得したヒストリカルデータの通貨ペア
モデル:「全ティック」
期間:「期間指定」にチェックしヒストリカルデータの期間内のうち希望の期間を指定
③「スタート」をクリック
以上でバックテストが行われます。
ストラテジーテスターでバックテストを取るとグラフとレポートからさまざまな情報を読み取れるので、じっくり見てくださいね。
ハイローオートのアナライズ機能
ハイローオートというソフトのアナライズ機能でもバックテストを行なえます。
バックテストのアナライズ機能は無料で利用可能です。
手順は次の通り。
①ハイローオートアナライザをダウンロード
②ハイローオートのメイン画面より「アナライザを起動」を選択
③分析したいバックテストファイルを選択し「分析開始」ボタンをクリック
以上でバックテスト完了です。
分析画面より各種タブをクリックすれば、細かな分析結果を見れます。
プログラミングを用いるバックテストの取り方
プログラミングを用いてバックテストを取るには次の2つの方法があります。
- スクールに行って勉強する方法
- 外注する方法
スクールに通い、自分でプログラムを組めるよう学ぶのですが、当然ながら時間と費用がかかってしまいます。
内容やスクールによりかかる費用は異なりますが、相場は10万円〜。
自分の手で検証したい方は、スクールで専門的なプログラミング知識を学んでください。
「時間も手間もかけたくない」「すぐにバックテストを取りたい」という方は、業者に外注する方法がおすすめです。
費用は業者によってまちまちですが、相場は1つの手法で5万円前後。
エントリールールを変える度にバックテストを依頼しなければいけないので、ある程度の費用は覚悟しなければいけません。
バイナリーオプションのバックテストで陥る罠
バイナリーオプションのバックテストは完璧ではありません。
バックテストとリアルトレードの結果が同じにならない
メンタル面が考慮されていない
といった罠があることを理解しておきましょう。
バックテストとリアルトレードの結果が同じにならない
バックテストとリアルトレードの結果は完璧に一致しません。
リアルトレードでは、レート急変時やエントリーが集中した時などに、約定拒否やエントリーのずらしが起こる場合があります。
バックテストとリアルトレードではわずかな差が生じることをあらかじめ理解しておきましょう。
メンタル面が考慮に入っていない
バックテストはデータに基づく結果のみ知ることができます。
メンタル面は一切考慮されていません。
勝って気持ちが大きくなっている時にトレードルールを無視して大勝負に出る
負けて焦りが出てきた時にトレードルールを無視して投資回数や金額を増やす
といった、メンタル管理がバックテストの想定に入っていないので、正確な数値とはいえません。
バックテストとリアルトレードの違いを理解し、あらかじめ低めに見積もっておきましょう。
まとめ
バックテストといっても方法は1つではなく、
- エクセルでバックテストを取る方法
- MT4でバックテストを取る方法
- プログラミングを学んで自分でバックテストを取る方法
- 業者に外注してバックテストをを取る方法
と複数の方法があります。
ただし、本記事を最後まで読んで「意外と自分でもできそう…」と感じた方もいるはず。
ぜひ一度試してみてくださいね!